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姫の大冒険(後編)

みなさんこんにちは、姫です。

 ビール醸造が始まって約2か月。ご主人様もゆきこさんもお陰様でとっても忙しくしています。なので姫はほとんど毎日ひとりでお留守番。ワタクシ姫、自分でいうのも何ですがとっても甘えん坊のかまってちゃん。そしてかくれんぼ大好き。だからみんなが家にいる時は、かまってほしくて深夜だろうが早朝だろうがず~っとおしゃべり、シャムの本領発揮中です。

 肝心のビールは大きな設備の稼働までにはもう少しかかりそうですが、ご主人様がいろいろ工夫して先月よりはたくさん創れるようになってます。業務店さんも少しずつ増えてますので、もしかしてお近くで買えるかも~ ホームページのお取り扱い店舗は常にチェックしてくださいね!

 さて、姫の大冒険・後編です。え~ビールの話期待してるのに~っていう方はごめんなさい、スルーしてください。次回からはビールのお話に戻りますので。

ついに日本に帰る手段を手に入れた私たち。ここから怒涛の帰国準備です(ちょっと大袈裟)。

 まずは大韓航空に、姫が搭乗するための要件をしつこいくらいに確認。当初JALで帰るつもりでハードケージを用意していたのですが、大韓航空では座席の下に収納できるソフトキャリーでOK。でも、寸法には指定があり、さらに姫の出入り口は一つだけで施錠する必要あり、ということで、もともと開くようになっていた上部をゆきこさんがしっかり縫い付けてくれました。そして、万が一キャリーから逃げ出してしまった時のために、リードを付けるのは必須なんだけど、首輪よりもしっかりしたハーネスをつけようと考えたゆきこさん。。。

 わかります?この何だかとってもぎこちない感じ。姫はお洋服なんて着たことがないので、どうしていいかわからずすっかり固まってしまったのです。何日か続ければ慣れるって言われたんだけど全然慣れず、結局ハーネスは諦めて普通に首輪を使うことに。あ~よかった。

 さらに、乗り継ぎのソウル・仁川空港では絶対に他の動物に触れないように、ソフトキャリーから出ることは禁止、そして”この猫は乗り継ぎの間、空港の外には出ませんでした”という書面にゆきこさんがサインをして、大韓航空のカウンターで承認してもらわなければならないんですって。これも、いざ当日仁川空港で”そんなの聞いてません”なんて言われないように、何度も大韓航空に念押し。全て日本人スタッフの方がとっても親切に対応してくださって、まずは一安心。

 次は成田空港の動物検疫。すでに何度もメールでやりとりしていたけど、ようやく帰国便確定のご連絡ができました。担当は農林水産省のお役人なんだけど、こちらも皆さんとっても親切で、それこそ当日間違いのないように書類もメールで全部事前にチェックしてくれるんです。大事なペットのことだから、何かのミスで検疫パスできなかったら、飼い主さん空港で発狂しちゃいそうですものね。。。

 そして最も重要な帰国前の姫の健康診断。ここで思わぬ障害が。。。
ゆきこさんが、「日本に帰国するので搭乗日10日前までに猫の健康診断の予約を取りたい」とかかりつけの動物病院に電話したんです。当然手続きには慣れているはず、と思い込んでいたのですが、返ってきた返事は「それでは狂犬病のワクチン接種が必要です」

はあ???

 日本もグアムも、世界中で数少ない狂犬病清浄国に指定されているので、輸出入の際にはワクチン接種は不要なのです。しかもこのワクチン、接種するなら帰国180日前に一回目を打たなければ意味がない。そういうことを何度説明しても、この病院、全くもって聞く耳持たない。ワクチン打たなきゃ健康診断書にサインしない、の一点張り。

 そこでゆきこさん、グアムの動物検疫に電話。「はいそうですよ、狂犬病ワクチンは不要です。」「そのことxxx病院に説明してもらえませんか?」「あーあそこ(電話の向こうで鼻で笑う声)、言っても無駄でしょ、わかってないから」

 なんてこと。今まで姫はいろいろお世話になったいい病院だと思っていたのに、とんだ落とし穴でした。

 そこからゆきこさん、必死で別の病院を探します。簡単そうに思いますが、そこはグアムですからもう大変。幸い、姫と同じように日本帰国を待っていて大韓航空を紹介してあげた猫ちゃんのかかりつけ病院で、無事健康診断の予約を取ることができました。

 優しくて大きなフィリピン人の女医さんで、姫もおとなしく検査を受け、無事合格。動物検疫の承認ももらえてほぼ準備万端整ってまいりました。 

 いよいよ帰国日が近づいてきました。最後の関門はゆきこさんの帰国便搭乗72時間前のPCR検査。ここで陽性だったらもう目も当てられません。
 ということで、最後のグアム滞在を満喫しつつも、外出や人との接触はなるべく控えて検査に臨んだゆきこさん。ちょうどまた感染者も検査件数も増えて、結果が出るのが通常より一日遅れてしまい、最後までどきどきさせられましたが、何とか間に合って陰性証明書を渡されたときには、もうやった~って感じでしたよ!

 ついに帰国日がやってきました。フライトは9月10日の午前2:25発、ということで9日からそのまま寝ないで空港に向かいました。姫はなんだかよくわかってなかったけど、かなり無理矢理キャリーケースに押し込まれちゃった。半年弱お世話になった民泊のオーナーさんが、深夜にも関わらず空港まで送ってくれて、ゆきこさんも大助かりだったみたいです。

 空港では大韓航空のカウンターで姫の搭乗料金を支払って、またいろいろ書類にサインしてチェックイン完了。まずは仁川空港まで4時間半の旅です。

 こちらが姫の飛行機デビューの図。猫は大きな音が苦手なんだけど、飛行機の床って結構な音がずっと聞こえてきて、びびりの姫にはちょっと辛かったけど、ゆきこさんが時々撫でてくれたので、何とか耐えました。

 そして仁川到着。ここでまた想定外の事態が。。。

姫は成田までキャリーから出られない、と思っていたのに、乗り継ぎの荷物検査場で係員がゆきこさんに、“猫はX線には通せないので、あなたが抱えて下さい”と。考えてみればそりゃそうだわ。ゆきこさん、姫のリードを握りしめてキャリーから姫を引っ張り出したのですが、もう姫はびっくりしてぎゃ~って化け猫みたいにゆきこさんに爪を立ててしがみついてしまい、腕に引っかき傷とお洋服に穴が。。。ごめんなさい。。。

 仁川空港はめちゃくちゃ広くて、まずは大韓航空のカウンターで”姫を空港から出さない証明”にサインをもらうために大移動。成田空港とは全然違って、コロナ禍だというのにお店もほとんど営業してるし、明るくてと~っても広いし、何と無料のパソコンスペースや仮眠室まであって至れり尽くせり。コロナじゃなければシャワー室も無料で使えたんですって。早朝だったのでレストランはやってなくて、コンビニに行ってみたら、まあ美味しそうな韓国食品のオンパレード。ゆきこさん迷った末にキンパ食べて、大満足。大韓航空も仁川空港も期待以上で、韓国見直した!って言ってました。









 そんなわけで、長いと思った乗り継ぎの5時間半はあっという間に過ぎ去り、姫は最終目的地成田への飛行機へ。2回目はもう余裕余裕、約2時間で待望の日本へ降り立ったのでした。

 着陸後はコロナ禍のお決まり、まずゆきこさんが唾液検査です。結果待ちの間に書類提出・アプリのダウンロード確認など、これから2週間の自宅待機のための手続きを済ませます。ほどなく無事陰性との結果が出て、入国審査を済ませ、さあお待ちかね、姫の空港検疫です!!

 事前に入念に成田検疫所とメールで書類チェックをしていたので、問題ないはずだとわかっていてもやっぱりドキドキ。書類を提出して、検疫所のベッドで簡単な健康チェックをしてもらって、じゃじゃ~ん、姫は無事輸入が許可されました!グアムの姫は、日本の姫になったよ!
担当してくれた農水省の方も、ゆきこさんに「長かったですね~」と。ゆきこさんも感激して、深々と頭下げてました。おそらく姫は、ここ成田検疫でもちょっとした有名猫になっていたかもって。

 この後は、もちろんお迎えにきてくれたご主人様と久々のご対面。そしてゆきこさんの実家で2週間待機、初めてみる大都会に興味津々。

 そしてこの足利にやってきたのでした。

本当に本当に、何と長かったことか、そして姫にとっては多分一生に一度の大冒険。あれからちょうど一年、今では全てが楽しかった思い出です。

 長い長いお話にお付き合いいただいてありがとうございました。ひめ。