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ついに355ml缶リリースです!

 みなさんこんにちは、姫です。

何ですか、この暑さ?!まだ梅雨も明けていないと言うのに、人間の体温より高い気温が普通になってますよね!グアム生まれのワタクシ姫も、さすがにこの暑さは耐えがたいです。なので、お水に氷を入れてもらったり(何だかよくわからなくてただただ見つめているだけ)、

クールジェルのアイマスクをお尻にのっけてもらったり(毛が多すぎて。。。)、

結局意味がないので、やっぱり床ペタでしのいでおります。

 さてみなさん、もうご存知だと思いますが、ついにORIHIME Pale AleとORIHIME IPAの2種類、待望の355ml(12oz)缶が発売になりました!アルミボトル缶のラベルも気に入ってたけど、この缶でも姫のメインは変わらず、手前味噌ですがお店の棚にあったらまず手に取ってみたくなる、素敵なデザインでしょう!!

よく飲む方にとっては、500mlのボトル缶の方がいい~となりますが、それなりにお値段もしてしまうので、多くの方にとっては小さい缶の方が手に取りやすかったり、この形だと何段かに積めるので、小売店の方には便利だったり、と、何かとメリットのある(はず)の355ml缶。何とか夏休み前に発売にこぎつけられて、ご主人様もゆきこさんもほっとしております。

 というのも、この缶の発売までがまたまた艱(缶?)難辛苦の連続(相変わらずちょっと大袈裟)。

 みなさん、355mlと聞いてちょっと違和感を感じませんか?日本で普通、小型の缶と言えば、330mlあるいは350mlが主流だと思うんです。ORIHIMEの缶が355mlなのは、実はアメリカの12oz缶だから。

 ISHII BREWINGはグアムで営業していた時、いわゆる日本のロング缶に相当する、16oz缶を販売していました。こちらは日本では500mlが普通ですが、16ozなので473ml。そしてこのために、1つずつ手締めで缶にビールを充填するマシンを使っていたのです。もちろん12oz缶にも対応するものです。


 日本に帰国することになって、当然このマシンを持ち帰ってきたのですが、ここで大問題発生。なんと日本で販売している缶は、アメリカ仕様の缶とわずかに径が異なり、このマシンでは巻締ができないというのです。
 日本の缶に合わせてマシンを新たに購入するとなると、最低でも4~500万円の投資。しかも!!この日本仕様の缶、世界のスタンダードから完全に外れていて(またまたガラパゴス)、いずれアメリカ仕様に変わっていくだろう、とのことなのです。
 そんなあてにならないマシンに何百万円も投資できるわけありません。だったら、逆に缶をアメリカから輸入して、今持っているマシンを使ってビールを充填しよう、ということになったのです。

 ここで今度はまた別の問題が。グアムから帰国した際にも大変な思いをしたとおり、日本の厚生労働省は海外から持ち込まれる”人間様の口に触れる”ものは基本的にステンレスしか認めておらず、それ以外を輸入するには、その製品の製造所から日本の検査機関に大量のサンプルを直送し、費用と手間をかけて検査を行い、人間様に害はない、という検査済み証を取得しなければならないというのです。みなさん、想像してみてください、こんな面倒な話に付き合ってくれるアメリカの缶メーカーがそう簡単に見つかると思いますか?答えはもちろんNO!! だって彼らはUS本土だけで十分ビジネスになるんだから、わざわざ日本の零細Craft Beerメーカーのために手間暇かけてくれるわけがない。それでも、ISHII BREWINGにとってはこの検査済み証取得が唯一の缶輸入の手段なので、もうそれはそれは必死で缶メーカーを探し、最終的にはず~~~っとお付き合いのあるシアトルの代理店さんの多大なるご協力を得て昨秋ようやく検査済み証を取得することができたのです。

 ところがここでまたまた問題発生!皆さんご存知のとおり、急激な円安で缶の輸入価格が当初予定より大幅に上昇。ただでさえ発注してから空缶が東京港に届くまで、最低でも3か月は見ないといけないので、すぐにでも発注したかったのですが、少しでも円高になるタイミングを窺ったりしているうちにずるずると。。。

 さすがにこの夏に間に合わせないわけにはいかないと、ぎりぎり今年3月に発注。ようやく6月初めに東京港に到着、という段取りに。

 検査済み証もしっかり取得しているし、通関は何も問題ないはず。。。と思っていたのにもおおおおおお。
今度は東京港の輸入代理店さんから、財務省管轄の検疫所から大型X線検査の指示が出ました、との連絡が。。。個人事業主なんていうのは、とことん信用されてないんですよね。

 ともあれ、ここも代理店さんの多大なるサポートで何とか一週間で通関。無事納品となったのでした。

 そしていざビール充填。ブルワリーの充填室にはエアコンがなく、恐らく40度以上の酷暑の中、ご主人様がへろへろになりながら一缶一缶手作業でビールを充填し、巻締しております。ふう~~~~~

 何だかこのブログ、いつも苦労話ばっかりになってしまうんですが、少しでもゆきこさんのストレス発散のためにお付き合いいただけると幸いです(苦笑)。ビールを飲んでしまったら普通はぽーんと捨てられてしまう缶ですが、これだけ大変な思いでご用意しているんです、これも皆さんに美味しいビールを少しでも手ごろに飲んでいただくためなんですよーということをお伝えしたかったんですって。

 そして、肝心のビールは日々ブラッシュアップされています。ご主人様がまだ設備に慣れていなかった初期の頃のビールを飲んで、うーん今一つ、と思った方がいらしたら、騙されたと思ってぜひもう一度お試しください。先日の千葉のお店のイベントでも、びっくりするくらい皆さんに飲んでいただき、やっぱりこの人のビールはレベチってゆきこさんは確信したそうですので(いつも通り、身内というバイアスは差し引いてください笑)

 明日あたり、梅雨明けしそうですね。それではまた。ひめ。